1 屋根の点検
 @瓦屋根の点検は瓦の並び方、漆喰の剥離等は屋根の上に上がらずに簡易な点検は出来ます
ポイントは道路とか屋根面の見える場所から斜めに瓦を眺めて対角線の並びがほぼ直線になっておれば瓦のズレは無く葺き替える必要はほぼ無いです
棟瓦、隅棟瓦等のシックイは黒ずんでいるところは漆喰の裏側に雨水が廻り水はけが悪い為に苔やカビが生えた状態です。この場合雨漏れがしてなければ早急な修理の必要は無いのですが、何カ所か漆喰が剥がれているようでしたら、応急処置で漆喰の塗り替えか棟瓦の積み替えが必要です
 A応急処置としては剥離部分のシックイを塗りなおすことですが、ただ塗り足すだけでは原因の解消にはならず数年後にまた同じような剥離が起きる可能性があります
棟瓦、隅棟瓦、のし瓦の構造はのし瓦が2段以上になっており2段めの瓦の出よりもシックイの面が出ておれば漆喰の裏側に雨水が廻ります
 B修理は訪問販売の業者ではなく、専門の瓦屋がおすすめです また信用できる瓦屋など知らない場合は工務店や大工さんなどに聞いてみて下さい
見積金額の安さだけでは劣悪な業者もいるので原因と工事内容をしっかり説明できる業者を選びましょう

2  外壁の点検
  @外壁のひび割れ
縦のひび割れは水が株に流れ落ちるので家の中への雨漏れの心配は横方向のひび割れより少ないですが吹き降りの雨がかかる場所のひび割れはコーキング材などで早めの応急処置が必要です
横向きのひび割れは縦向きのひび割れよりも雨水の壁内への侵入の可能性が高く柱や梁土台などを腐らす前に早急な処置が必要です
  A塗装の状態は指先で擦り指先に白く付くようでしたら外壁塗装の塗り替え時期です
カキ落としの左官仕上げのままの壁は早めの全面塗装がおすすめです、20年以上の左官仕上げのままのカキ落としの壁ですと すでに雨水、太陽光などでカキ落とし壁本体が劣化してる為塗装してから塗装内部で砂とセメントが剥離してくる場合があります
  B壁の塗装は基礎まで塗装するのはやめましょう 土間面からの水蒸気がモルタルと塗装面の裏に入り剥離などの原因になります
  C塗装業者は知り合いの塗装屋さんか工務店などに聞いて訪問販売業者は避けましょう
見積は金額だけで無く 使う材料と工程をしっかり説明できる業者を選びましょう
塗装工事の工程は 外部足場 高圧洗浄 シーラ(付着材) 下塗り、上塗りです

3   下水、雨水開所の点検
地区5年以上の下水、雨水開所でセメントで出来てる開所のほとんどが排水管本管の廻(特に下)で穴が開き地中に水漏れを起こして地盤沈下などを引き起こす場合があります
まず開所の蓋を開けて排水管本管の下より溜り水が少なければ水漏れを起こしてます
排水管の下端も手で触ってみると穴が開いてるのがわかります
一番穴が開きやすいのは台所の開所で洗剤と食べ物の油成分でセメントを溶かすようです
台所開所か最終トラップ開所は油と洗剤が固まった白い石みたいな物が溜まりますのでせめて1年に1回は点検掃除が必要です あと木の根で排水管が詰まる事もあるので毎年の点検が必要です

4  耐震補強
建物の耐震構造上大事な場所は地盤、基礎、土台、柱壁筋交いと建物の下部の方が構造上大切な場所です。
良く耐震診断を語り屋根裏などを色々な金物を取り付け法外な金額を請求する悪徳訪問業者も居ますが殆どの屋根の形状は三角形で壊れにくい安定した形で2階建ての木造建築では屋根を支えるのは2階の壁で2階と屋根を支えるのは1階の壁になりその壁を支えるのが基礎になります
阪神大震災では古い文化住宅やアパートなどの長屋の倒壊が目立ちました、原因は各戸の間仕切り側壁方向は全面に壁が有り強いのですが玄関廻は横に台所などの窓があり土台から梁を繋ぐcm以上の壁がほとんど無い事から四角形を平行四辺形に潰すみたいに簡単に壊れてます
耐震補強は90cm以上の壁を作る事が一番効果的で筋交いなどの緊結の為に建築金物を使用します
またガレージなどでどうしても壁ができない場合は鉄骨のラーメン構造で補強したりもできます
なお基礎や地盤の強度を落とす原因が下水開所の漏水で土の流出や軟弱地盤になる事もあるので水回りの管理も重要になります

5  シロアリの点検
シロアリ被害の多くは浴室廻りトイレ廻り玄関廻りの木と土と水に接する場所が多いです
シロアリは暗い所と湿気の多い所を好み光を嫌います
土間がタイル張りの浴室、トイレはタイルの目地の隙間から土間の下に水が侵入して土を湿った状態になりシロアリが土台や柱に被害を与える事になります、玄関廻は入口のドアや引き戸枠が土間に接してる所からの被害が多いです、あと新築時から木材を床下の土と木材を接する様に施工してる場合もあります
またベランダや外壁などからの雨漏れでシロアリ被害を広げる場合もあります
羽蟻の蟻かシロアリかの見分け方は肌色がシロアリで黒いのは黒蟻です、シロアリは6月の梅雨のはじめ頃に羽蟻になって飛び立ちます(関西で多いヤマトシロアリ)
床下に湿気が無く木と土が接する場所が無い家はヤマトシロアリの心配はほとんどありません
冬場に霜の降りない地域や海岸線などの温暖な地域はヤマトシロアリより大粒で自ら水を運ぶ家シロアリが居るので定期的にシロアリの予防薬を散布する事が望ましいです
床板がフワフワするからシロアリの被害では無いか?」と質問を受ける事がありますが、大抵の場合がフローリングの合板の接着剤の劣化による剥離が多いです、その場合はドアを開けて1歩目とか階段前の1歩めの位置とかで30cmの根太の間だけのへこみです
シロアリ被害の場合は土台や根太が先に被害に会う為壁際や浴室トイレの敷居の際がギシギシと沈む場合はシロアリ被害が多いです

6  床下の点検
床下の点検は建築時の木材が落ちて無いか、木材(床束)が土と接してないか湿気は無いか給排水配管や浴室土間廻からの水漏れ等確認して対処する事です
床下の湿気は床下換気扇や防湿剤を敷く前に湿気の原因を取り除く事が大事です
床下の湿気の原因は床下より廻の庭などの地盤が高い事が原因になってる事が多いようです。家の基礎の廻は床下よりも低くして敷地内の雨水を雨水升に排水出来るようにする事です
床下換気扇は床下換気口が少ない場合に吸気口と反対側に設置すると効果的です

7  防犯対策
泥棒の侵入は玄関より人の目に付き難い裏の路地の窓からが一番多いです
表廻だけ雨戸まで閉めて戸締りして出かけると留守にしてるのが判り路地裏側の窓から侵入されて被害を受けた家もあります
窓からの侵入はガラス窓の鍵の周辺2カ所をマイナスドライバーを捻って三角状に割り ガラスを取り除いてクレッセントを開ける手口の三角割りという手口が一番多い様です
三角割りの被害を防ぐためには2重ロックとガラスフイルムを貼ってるのが判るように貼るのが有効です
また面格子の窓なので安心して風呂や洗面所トイレの窓を換気の為少し開けて網戸で留守にする方が居ますが縦の面格子は横に捻るとリベットが簡単に外れ侵入されます、換気の為に少しだけ開けるのであれば溝に嵌める補助錠で20cm以上開かないようにしてください

我が家の点検